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■2009年11月

伊藤忠ファッションシステム(株)
事業開発室
合田裕紀子

−ブランディングドックシステムについて−

伊藤忠ファッションシステムでは伊藤忠商事繊維IT推進室とともに、ブランドライセンス管理システム「ブランディングドック」を開発した。今回はこのブランディングドックシステムについて、ご紹介させていただきます。


■ブランドライセンス市場を取り巻く環境

生き残りをかけた流通グループ再編により買い手の交渉力や要求が増し、対応できるメーカー、卸売業者は年々減少している。それに伴い、パートナーの力量が収益を大きく左右するブランドビジネススキームにおいては、パートナー候補となる有力企業への案件売り込みが集中する一方で、自社のオリジナルブランド確立を優先順位としているのが実情である。

また、流通の多様化に伴い、消費者の価値観の違いや嗜好の多様化が顕在化しており、ターゲットにフォーカスしたマーケティングがますます重要になってきた。価格競争に陥らず付加価値形成が実現できなければ利益確保が困難となり、継続性も危うくなってきている。

ブランドビジネスのスキームの中で、ライセンサーであるブランドホルダーとライセンシーであるメーカー・卸売り業者の間を調整する立場であることが多い我々は、市況と同時に流通、ライセンシー、ライセンサー各社の経営状況・経営方針がめまぐるしく変わる昨今では、これまでよりもブランドマーケティングの重要性が増し、収益拡大に向けて関係各社を先導する役割が問われている。

今、改めて関係各社と課題を共有し、各社のノウハウを最大限引き出し、競合に勝つブランディング戦略を実行することが必要であると考える。



■ブランドライセンスビジネスにおける意識と役割の整理

ここで、ブランドの資産を運用し収益を上げることが命題であるブランドライセンスビジネスにおいて、それぞれの意識と役割の整理を改めて行いたい。

●ライセンサーの意識としては以下のようなことが挙げられる。

  • ブランドイメージを上げたい。
  • 自社のブランドは永遠のものである。
  • 自社のブランド故に思い通りにしたい。
●一方、サブライセンシーにあたるメーカー・卸売企業の意識・事情は以下のようである。
  • 限られた期間とアイテムで契約期間中にいかに儲けるかが命題である。
  • 自社の文化やポートフォリオ戦略、流通事情によって、同じブランドでもそれぞれ競合やターゲットが異なる。
● 両者の意識・立場をふまえ、我々のとるべき役割は以下であると考える。
  • サブライセンシーの強み、弱みをライセンサーに理解させる。
  • ライセンサーの意向を聞き入れてもらえる環境づくりを行う。
  •  (ブランドの強み、消費者がどのように認識しているかを理解させる)
  • 長期的に安定成長できる土壌づくりを行う。
  •  (店頭在庫が最大の悪であることを共有する)
  • サブライセンシー企業内での位置づけを上げ、人的、金銭資産を優先的に投入してもらえるようにする。
  • (商機の提案、プロモーション支援、マーケット可能性の研究を率先して行う)
  • ライセンサー・ライセンシー両社のマーケティングの支援を行う。
  •  (想定顧客を明確化し、競合の分析、販売チャネルとの整合性分析を行う)


上記のような役割がありながらも、現状のブランド管理はどちらかというと主観的であると言わざるを得ない。以下のような事項は多くの関係者が抱えている課題ではないだろうか。

  • 情報管理が属人的で客観的な分析軸でブランドの現状を把握できていない。
  • 例えば、販売先の管理についても、都心の百貨店と地方百貨店とでは全く客層が異なるが、「百貨店、専門店、量販店」というような大まかな区別しかなされていない。
  • サブライセンシーの売上の中身が正しいものなのかどうか判断できない。本来想定したターゲットに買われているのかどうか検証する術がない。
  • 配荷店舗に想定したターゲットが来店しているかどうか把握できず、最終消費者の顔が見えない。
  • 販売先毎の競合ブランドを把握できていない。
  • 消費者の併買ブランドを把握できていない。
  • 結果個々のブランド、アイテムの現状について深堀や裏付をおこなっている余裕がなく、対応が後手になりがちである。



■ブランディングドックシステムでブランドの現状を可視化する

図1:ブランディングドック概要図 (拡大して表示

前述のような現状を克服し、ブランド収益拡大のため関係各社を先導する役割を全うするために、できる限り定量的・客観的にブランドの現状を把握する必要がある。
そこで、ブランディングドックのシステムでは、ライセンシーからの情報を共通のフォーマット・形式にて取得し、データベース化する。そして、蓄積したデータを元に、ブランドの客観的分析やベンチマーク・競合ブランドとの比較分析をおこない、裏付けをもってパートナー企業を導くことを実現するものである。
取得する情報は、ライセンスブランド管理において日常的にやりとりなされる以下の項目としている。

  • 品番別売上
  • 広告出稿・掲載内容
  • パブリシティ掲載内容
  • 個別販売先

図2:ブランディングドックトップページ

WEB上でデータを入力すると、それが一元管理の元データベース化され、流通別分解、地域別分解、市場規模対比、予算実績対比、プロジェクション対比、競合対比、売上とプロモーションとの関係性などがクリック一つで瞬時に分析でき、あらゆる関係者にわかり易く可視化することが可能となる。
本システムでは、マーケティングならびに販売・在庫管理業務における、付加価値業務の増加、間接業務等に内在する非付加価値業務の削減も狙いとしている。

本システムを活用することによって期待される成果としては下記のようなことが考えられる。

  • 売上の中身を分析することで、誰にどこでどのように消費されているかが明確になる。(ターゲット=店(媒体)=商品の整合性が図れる)

これにより、昨今の流通主導となりがちな営業の場面においてもブランドとして裏づけをもって交渉にあたる一助となる。

  • ターゲットニーズを反映した商品企画が可能となる
  • プロモーションにおける費用対効果が算定でき、無駄のないプロモーションが行える。

結果的にこれら積み重ねにより、売上向上に繋がるものと考える。 また二次的には、下記のような効果が期待できる。

  • 客観的な意志決定ができ、生産性があがる。
  • 担当者の主観ではなく客観的な評価ができることで正しい経営判断ができる。

以上、ブランディングドックのシステムでデータベース化されるデータや、それらを用いた分析内容は、述べてきたとおり、非常にベーシックな内容である。ただし、そのベーシックな内容をできるだけ一元的に管理し共有化することによる効果は非常に大きいと考える。

将来的には店舗における販売情報(POSデータ等)との連携、および消費者アンケート結果などのデータを統合し、より総合的にブランドの現状を把握できる仕組みを構築し、論理的な在庫量予測の精度を上げ、関係各社の利益増加に寄与することも視野に入れていきたい。事業の仕組みを構築することにより、1社1ブランドでは負担が大きかったIT投資や分析にまつわるコストを軽減することも可能となるであろう。

本ブランディングドックシステムは、目的である分析フェーズを見据え、現在情報収集フェーズを一部ブランドにて運用開始している。 本件にご興味をお持ちの方にはぜひご連絡いただきたいと考えております。




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