~コト消費のその先は?~ 新たなサードプレイス、コミュニティに特化した習い事が人気

近年の働き方改革による残業の減少などに伴い、時間の有効活用として習い事を始める若者が増えているそうです。数年前には、LINE世代の1つ上のハナコジュニア世代の間で、将来を見据え、自分のキャリアアップや“個”としての生活力・女子力アップを目的として、習い事に通う若者が増えましたが、今どきの若者は、職場や既存の人間関係以外のサードプレイスとして新たな出会いやコミュニティを形成する場や、自分自身と向き合い、見聞を広げ経験値を増やす場として習い事を捉えているようです。今回は、スポーツジムや英会話などに次いで人気の習い事で、である料理教室に、30代前半にあたるハナコジュニア世代(1987~91年生まれ)の先輩と参加し、取り組み方の違いなどを探ってきました。
今回私は、日本に住む外国人の先生が出身国の家庭料理を教えてくれるという料理教室で、お肉をメインとしたブラジル料理を前菜からデザートまでフルコースで作ってきました。通常の料理教室とは違い、先生の自宅に伺い少人数で行うため、とてもアットホームな雰囲気でレッスンが進みます。珍しいレシピや食材に触れられることはもちろんのこと、できあがった料理を囲んで、先生の出身国であるブラジルの文化や生活について、カジュアルなおしゃべりも楽しめるなど、とても満足度の高い時間を過ごすことができました。

実は今回、ハナコジュニア世代の男性の先輩と一緒に参加したので、レッスンが始まる前までは「先輩は抵抗ないかな?」と少し心配していたのですが、先輩は躊躇なくエプロンを身に着け、「普段料理しないのでとても新鮮!」と楽しんでくれていました。「あまり慣れていないけど・・・」と口にしながらも、レッスン中は、先生のコメントを逃さず丁寧にメモしたり、食材のカットを進んでやってくれるなど、”学ぶ”という姿勢で真剣に取り組んでいたように感じます。また、レッスン後の食器洗いもさっとやってくれるなど、レッスン全体を通して、場の空気感を読みながら自然体で流れをリードしてくれる先輩の姿が、新しい発見でした。というのも、私たちLINE世代同士で何かを行おうとすると、雰囲気で繋がるためもっとゆるい感じになりがちで、同世代の仲間とレッスンに来ていたら、きっと料理の進行や片付けなどをなんとなく謙遜しあって、メリハリがない状態になってしまったのではないかと思えるからです。

今回の体験を通して、私たちLINE世代の意識には希薄になりがちなTPOに合わせた”きちんと感“や”適応力“といったハナコジュニア世代の特徴を目の当たりし、習い事に対する向き合い方の違いも実感しました。私自身、今、習い事はしていませんが、これから何か始めるとすれば、やはり学ぶことを目的にするというよりも、人との関わりが充実し、自分の世界が広がるものを取り入れていくだろうと思います。料理教室は少し固い雰囲気のイメージがあったのですが、今回のような”料理を学ぶ“だけが目的ではなく、コミュニケーションにフォーカスしたレッスン内容だと、LINE世代はハードルを感じることなく、新しいコミュニティの一つとして取り入れていくのではないかと思います。


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(先輩からのコメント)
今回私は「一品は自分で作れるようになろう」という目的で取り組んでいたのですが、後輩のLINE世代がこのようなことを感じていたとは意外でしたし、これを読むまで全然気づきませんでした。時間と出費がかかる旅行をせずとも、料理教室を通して手軽に海外の食・文化・生活・言語などの異文化に触れられることは、非常に興味深い取り組みで、学びの場でのモチベーションアップになりそうな気がしました。



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