2018.02.1 - All , 海外レポート

ミレニアル世代が好む新しいフードデリバリーサービス

ifs New York

その数8,000万人とも言われているミレニアル世代(主に1980年代から2000年頃に生まれた世代)は 、米国労働市場を占める最も大きな年齢層グループに達した。価値観、ライフスタイル、消費動向や働き方においても他世代と異なる。
食に対しても拘りを持つ彼らは「Foodie」(食好き)と呼ばれ、デリバリー利用や外食が他世代に比べて多いのが特徴。The Bureau of Labor Statistics(アメリカ合衆国労働省労動当局)の調査によると、ミレニアル世代はベビーブーマー世代に比べ総支出が14%下回るにも関わらず、外食またはデリバリーに週に平均$50.75使う。これに対して、ベビーブーマー世代は平均$47.67を使用するという統計が明らかになった。

ミレニアル世代が好む新しいフードデリバリーサービスこの背景には、昨今のフードデリバリー市場の充実化が関係している。より多様化した食のオプションが増え、その日の気分によって食べたいフードをアプリ経由で簡単にデリバリーすることが可能になったことや、手頃な価格で鮮度、質や味に拘ったファストカジュアルの台頭も、健康に拘るミレニアル世代にとっては便利な選択肢の一つになった。

また、ミレニアル世代を大半とする消費者と、スーパーマーケットにおける関係にも変化が起きている。US Grocery Shopping Trends Reportは、18歳以上の消費者2,061人を対象に調査を行ったところ、2005年には、消費者の3分の2が地元スーパーで食材を買い物すると答えたのに対し、2016年には、消費者の半数のみがスーパーを利用していると回答。従来のスーパーマーケットに魅力を感じないという同世代は、食材を買ってきて自分で料理して食べるというよりは、誰かに料理を作ってもらいたい、または外食したい。しかしその一方で食料品店にいくことを全くやめたくはないという。

出来合いのお惣菜や調理された食品の購入のためにスーパーマーケットを利用する人も多い。ローカル産、オーガニック素材を使用した新鮮で手頃な出来合いの食品には魅力を感じているようだ。

他世代に比べ、食嗜好の多様化したミレニアル世代を取り込む為に、趣向を凝らしたフードデリバリーサービスプログラムが市場に台頭しはじめてきた。かつてはデトックスや減量を目的とした出来合いや冷凍食品のデリバリーサービスが多かったが、ビーガン、クリーン・プラントベース(植物ベース)ダイエットの実践者の増加と共に、彼らを対象にしたニッチな宅配プランが話題になっている。

ミレニアル世代に人気のビーガン&オーガニック食品のデリバリーサービスをご紹介させていただきます。

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ビーガンの食デリバリー(米国)
Sakara Lifehttps://www.sakara.com/

ビーガンの食デリバリー(米国)Sakara Life

ハリウッド女優で、ヘルスコンシャスなライフスタイルを自身も提唱しているグウィネス・パルトロー、スーパーモデルのイマンやビクトリア・シークレットモデルを夢中にさせているのが、NYを拠点にWhitney WtingleとDanielle Duboiseによって設立された、ビーガンとプラントベースのミールデリバリーサービス「Sakara Life」。グラマラスなビーガンライフスタイルをインスタグラム(9.2万人のフォロワー)とウェブで配信し、カルト的な人気を誇る。

WhitneyとDanielleは、ヘルシーなダイエットが体に与える効果効能をホリスティックな視点から検証し、食は人間の肉体をつくるだけでなく精神をも形成すると提唱。質の良い未加工のフードは、ジュースクレンズでは得られないエネルギーを体にもたらし、疲れ知らずでエネルギーに満ちた生活を送る手助けをしてくれると語る。

Sakara Lifeの食は、植物性由来、グルテンフリーやスーパーフードを取り入れ、専門のシェフによってブルックリンのキッチンで一つ一つハンドメイドで作られている。完璧な体型を誇るビクトリアシークレットモデルが、ファッションショー前にこのミールデリバリーを取り入れることは有名な話。また、NYのビーガンや自然志向の人々の間でも非常に人気がある。

一日の食デリバリーは朝食、昼食、夕食、モーニングウォーター、ナイトウォーター、デトックスティーが含まれて$109。配達は日に3回行われる。忙しい毎日を送る現代人にとって、栄養のバランスを考えながら、毎日何を食べようかと買い物するのはなかなか骨の折れること。Sakara Lifeのミールデリバリーは、そのようなミレニアル世代のナチュラルでヘルシー志向の人々の食のオプションの一つとして生活に取り入れられている。ミールデリバリー以外にも、ヘルシースナック、バー、グラノラ、チョコレート、デトックスウォーターやお茶などのオリジナル商品も人気。

オーガニックな食プラン(米国)
Provenance Mealhttps://www.provenancemeals.com/

オーガニックな食プラン(米国)Provenance Meal

Provenance Mealは、ブルックリンを拠点に、グルテン、乳製品、精製された砂糖、GMOを一切使用していないオーガニックミールプランとデトックスプログラムの宅配サービスで、NY市内で配達を行っている。ウェルネスの専門家と健康をサポートするシェフがタグを組み、忙しい現代人の健康を改善するために、より良い食とウェルネス習慣を提案。チームは認証栄養士、著名なヘルス・ウェルネスカウンセラー、メディカルドクターや健康を推進するミシュランスターシェフから成る。

地元産のホールフード食材のみを使い、伝統的な調理法を用いて体に栄養と滋養をもたらすメニューを開発。使用しているナッツミルクはホームメイド、肉は100%グラスフェッド(草のみを飼料として飼育された牛)、魚は野生またはサステーナブルに養殖されたもののみを使用。甘味にはNY州産のナチュラルな蜂蜜、廃糖蜜、ココナッツシュガーやメープルシロップのみを使い甘さを出している。オイルはエクストラバージンオリーブオイルまたはオーガニックバージンココナッツオイルを使用する徹底ぶり。

オーガニックデリバリーは、①まず日数を選びミールタイプ(朝食、昼食、夕食)を選択する。②ビーガン、魚、肉のオプションを含んだウィークリーメニューの中から、好きなミールタイプを選ぶ。③1回のみのオーダーにするか定期的なオーダーにするか選択。価格はミールプログラム$65/日、クレンジングプログラム$82/日。

Provenance Mealは、市場に出ているほかのミールデリバリーサービスよりも美味しいと評判。体に栄養をもたらすだけでなく、使用しているパッケージも環境に優しい堆肥・リサイクル可能なものを使用。全ての生ゴミは堆肥し、食事の寄付も行っている。人にも環境にも優しく、ミレニアル世代の求める理想の企業の形を体言している。

ビーガンの食デリバリー(英国)
allplantshttps://allplants.com/

ビーガンの食デリバリー(英国)allplants

allplantsは、JonathanとAlex Petrides兄弟がイギリスを拠点に立ち上げたプラントベース素材を使用したミールデリバリースタートアップ企業で、新鮮なビーガン冷凍食品をイギリス全土の自宅に届ける宅配サービスをスタート。プラントベースとは、肉、卵、乳製品などの動物性食品を一切摂取しない菜食主義の意で、加工されていない未精製食品を指す。

2015年から菜食中心のダイエットを始めたJonathanとAlex兄弟は、プラントベースの食材が体にもたらすエネルギーを実感。それまでの菜食主義の食事=味気ない、物足りないというイメージを払拭するために、手頃な価格で味と栄養に拘った新しいプラントベースのミールデリバリーを立ち上げることを決意した。

新鮮な野菜、穀物、果物、ナッツ、豆やスパイス、ハーブ、調味料を主に使用し、シェフや栄養の専門家と共にキッチンで試行錯誤を繰り返し、ココナッツやカシューナッツを砕いて練ったクリーミーなベシャメルソース、トレンドの南国産のジャックフルーツを肉代わりに使用したり、ターメリックを取り入れたりと工夫を凝らしたビーガンメニューが完成した。またパッケージもミレニアル世代に響くようなシンプルでスマートなデザインを施している。人口香料や防腐剤の使用は一切無し。

現在は、Super Spring Risotto, Jerk Jackfruits, Thai Green Curry, Cashew Mac, Black Bean Chilli, Moussaka, Bourguignon, Moroccan Tagine, Lasagne Caponataの9種類を展開。

価格は6回分のディナー(2人分)で57ポンド。定期宅配も行っている。

今後も様々な食のニーズに対応したサービスが続々と登場するだろう。ミレニアル対象のビジネスのキーワードはやはり、ソーシャルメディアと透明性!!