2018.02.20 - All , 海外レポート

新しい消費経済トレンド:1conomy

ifs New York

現代の若者は、強まる政治不安や急速なデジタル化の進行の影響を受け、目まぐるしい変化を経験し、プレッシャーやストレスの多い社会に身を置いている。現在、世の中における変化の一つで無視できない傾向に単身世帯の増加が挙げられる。

ロンドンを拠点にするリサーチ会社Euromonitor(http://www.euromonitor.com/usa)の調べによると、2030年までに世界単独世帯数は32%増え、彼らの消費は1,620億ドルに達すると言われている(*1)。今後のテクノロジーの更なる進化、安い旅行やエンターテーメントの普及により、この世代が前世代に比べて、時間の使い方により多くの選択肢をもてることが理由に挙げられる。

おひとり様消費
*1 関連記事リンク:https://blog.euromonitor.com/2017/03/households-2030-singletons.html

■「おひとり様消費」=1conomy現象

“個々”や“自己管理”が消費者の優先順位となっている今、一人でいることを好む“おひとり様”が急増。この現象に伴い「おひとり様消費」=1conomyという、新しい消費のあり方がトレンドになっている。この経済観念は、貯蓄をし、明日に備えるという考え方から、今の喜びを大切にし、自分の経験の為にお金を使うという考えだ。

1conomy=完全に他者をシャットアウトするのではなく、お一人様を満喫している様子をソーシャルメディアにアップしてシェアし、自発的に孤独を楽しもうとしている。例えば、レストランには一人で行くが、オーダーした食べ物と飲み物の写真を撮ってシェアしたり、映画館に一人で行き、チケットと自分のセルフィーをソーシャルメディアにシェアすることを好む。近年のモバイル機器の浸透により、人々は誰かと一緒にいなくても社会との接点を感じているという。

■お一人様ダイニング

お一人様ダイニングWestfield Shopping Chain の2017年度のレポートによると、週の外食規模は、32億食に上り、そのうち4食に1食がシングル消費だという。忙しい毎日の中で、リラックスしながら外で食事をしたいと考える“ソロダイナー”が多いことが窺える。

サンフランシスコ発、オンラインレストラン予約サービス「Open Table」(https://www.opentable.com/start/home)が2015年に行った調査によると、米国内でのひとり予約の数は62%も上昇。特に、New York, Miami, Las Vegas, Chicago, Dallas地域における、お一人様予約が近年急速に増えているという。

急増の背景には、先進国市場における若い消費者の“早いペース“、”インディペンデントなライフスタイル“、”移動中の食事“や、”一人での食事“のルーティン化が挙げられる。
Open Table社のチーフダイニングオフィサーCaroline Potter女史によると、“外食”が世界的な娯楽のひとつになっている昨今、可処分所得の高いミレニアル世代を中心に、自分へのご褒美を兼ねて美味しい体験や味わいを求めるひとり外食者が急増中。「おひとりさま」は、現在最も急速に成長しているセグメントで、これは、先進国市場に於ける消費者食習慣の大きなシフトを指すという。

NYでは、2016年10月にブルックリンのブッシュウィック地区にオープンした日本のラーメンチェーン「一蘭」や、マンハッタンのイーストビレッジにオープンし、「分厚い品質の良い肉を素早く経済的に提供することをコンセプト」にした立ち食いステーキチェーン「Ikinari Steak」もソロダイナーから人気を集めている。

■おひとり様旅

Tru by Hilton(http://tru3.hilton.com/en/our-story/index.html
おひとり様旅2016年に設立されたTru by Hilton は、ミレニアル世代を対象に、ユースホステルや大学の寮からインスピレーションを得て、スタイリッシュで活気に溢れたシェアスペースやパーソナルスペース、手頃な価格帯と快適でリラックスできる環境、を実現したおひとり様フレンドリーのホテルである。

従来の客室より狭いセミプライベートのアルコーブは、より効率よく使えるデザインになり、家具も最小限の設置。全てのエリアでWi-Fiのアクセスとワイヤレスプリントサービスが可能なデバイスフレンドリーなデザインに。共有スペースを拡大し、プライベートエリアから余分なアメニティを取り除いているのが特徴。フリーの朝食は、30種類以上のスウィーツまたはセイボリーからなるトッピングが用意され、自分好みにカスタマイズ可能。ロビーでは24時間、地産のグルメスナックやドリンクが完備。ジムではスクリーンに設置されたQRコードを読み取ると、ホテル近辺のランニングルートがわかり、ワークアウトメニューはスクリーン上でカスタマイズができる。

東京やソウルのようなアジアの大都市では、お一人様消費は確立されているが、今後、1conomyは米国やヨーロッパに於いて、ニッチからノーム状態に変遷を迎えるそうだ。