2020.11.17 - 海外レポート

急成長を遂げるリセール市場

ifs New York

グローバルファッションリセールマーケットは年20%の勢いで成長しているという*。以前のレポートで、Z世代を中心とする若年層消費者の間では、リセールの利用が活発化し、既に流通しているものを買う事によってワードローブを循環させることがよりサステナブルでレスポンシブルな方法だとして浸透。また、既に大量に世に出回っている古着をカスタマイズしたり、リメイクして作った一点ものを再販する事も大きなトレンドになっていることをお伝えさせて頂いた。今回は、ブランドのリセール参入事例やラグジュアリーリセールの指標を纏めたレポートについても取り上げ、急成長を遂げるリセール市場の今をお伝えさせて頂きます。(https://www.just-style.com/news/global-fashion-resale-market-seen-growing-20-a-year_id139914.aspx?utm_source=article-feed&utm_medium=rss-feed&utm_campaign=rss-feed)

■リセール市場の急速な成長

近年、リセール市場の急速な成長には目を瞠るものがある。マスブランドの中古品に特化したリセールサイトthredUP(https://www.thredup.com/)のレポートによると、世界におけるリセール(再販)、リサイクルショップや寄付から成る中古市場は、5年以内に640億ドル(約6.7兆円)市場に到達することが確実視されているという。2019年、リセールが70億ドル(約7,350億円)市場規模であったのに対し、リサイクルショップや寄付は210億ドル(約2.2兆円)。2024年、リセールは39%の年平均成長率で360億円(約3.8兆円)市場規模に、リサイクルショップや寄付のセグメントは6%の年平均成長率で280億円(約2.9兆円)規模に成長し、2024年までにリセールがリサイクルショップや寄付のセグメントを追い超すだろうと予測されている。

■オンラインセカンドハンド事情

小売業全体は15%の縮小が予測される中、オンラインセカンドハンドは、2019年から2021年の間に69%の成長が見越されている。新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、大半の時間を自宅で過ごすようになった今、多くの消費者がクローゼットの見直しを行い、断捨離を加速した事と、手頃な買い物の楽しさをオンラインセカンドハンドショッピングに見出したこともありthredUP の4月と5月の取引は、劇的に加速したようだ。

■ブランドのリセール参入事例

The Real Real x Gucciパートナーシップ

https://www.therealreal.com/flash_sales/the-realreal-x-gucci-6520
急成長するリセール市場を牽引する中古品ラグジュアリーブランドに特化した会員制委託販売サイトThe Real Realもコロナ禍に於いて取引が非常に活発だ。
The Real Realは、先日Gucciとパートナーシップを締結。Gucciは、6月初旬にGucci Circular Linesの初コレクションとなるGucci Off The Grid(
https://www.gucci.com/us/en/st/capsule/circular-line-off-the-grid)をローンチしている。

今回のパートナーシップでは、特集されたGucciの中古品アイテムをThe Real Realのサイト内にショップページを設け、年末まで販売するというもの。Gucci社は、同社の商品を長く使用する取り組みを通して、ラグジュアリーファッションに於ける循環経済の促進を目指す。The Real Real x Gucciショップでは、ウィメンズ、メンズ、ファインジュエリー、ウォッチ、ホーム、キッズのカテゴリーの中から、最新アイテム、今シーズンのアイテム、クラシックな売筋アイテム、特別なビンテージアイテム等が毎日キュレートされて、ショップページにアップデートされる。商品は、Gucci社から直接入手した余剰在庫と委託者からの委託品から成り立つ。更に特筆すべきは、The Real RealのサイトからGucci商品の購入及びGucci商品の委託取引が行われる度に、The Real Real社が、バーモント州シェルバンを拠点にする非営利団体One Tree Planted(https://onetreeplanted.org/)を通じて1本の植林を行っている点。

The Real Realによると、Gucci商品の需要は前年比19%増と成長しており、再販価格は平均に比べ2-3倍高いという。
また、同社のResale Report 2020(https://resalereport2020.therealreal.com/)によると、Gucciは3年間連続で最も需要の高いメンズブランドに選ばれている。また、18-34歳による年齢グループの検索需要が他のどの年齢グループよりも高いことが分かった。

中古品を売買するリコマースサイトをスタートしたLevi’s

https://www.secondhand.levi.com/
Levi’sは、中古品を売買するリコマースサイトLevi’s Secondhandをスタート。同サイト上では中古品アイテムの購入や、中古のLevi’s商品を売却することが可能だ。下取りされた衣服はクリーニングされ、同サイト上で再販されるシステム。Levi’sは、埋め立て地に行く服をなくすことを重要視し、買い戻しプログラムを導入した初のデニムブランド。服の寿命に対してきちんと責任を持つ“真の循環”を率先して体現した。

ラグジュアリーリセールに於いて商品の認証と修繕サービスを提供するRe-SEE

https://www.resee.com/
パリを拠点に、二人のファッションベテランSofia Bernardin氏とSabrina Marshall氏が設立した高級中古品を売買するリコマース。Re-SEEでは、商品が本物かどうかを確認する認証サービスと商品の状態が万全であるかの検査が徹底され、必要であればドライクリーニングや修繕が施されて世界中に商品が出荷される。また、ラグジュアリーバッグの寿命を延ばすために、フランスの熟練職人と提携し、シミ抜き、ハードウェアポリッシュやレザートリートメントを含むクラシックスパトリートメント、ハードウェアの修繕・交換、持ち手の修繕やショルダーストラップの追加、スティッチ等を含むバッグの修繕、顧客からのオンデマンドなカスタムカラートリートメント等を含むビスポークリペアサービスを提供。同社は、二次市場に於ける高級商品の循環を促進させることを目的とし、リセールサイトで初のリペアサービスを提供。今後は、ラグジュアリーバッグのエキスパートLaurie Mestchersky氏によるChanelやHermesバッグのDigital bag authentificationサービスもローンチ予定。

ラグジュアリーリセールの指標をレポートするRebag

https://www.rebag.com/
https://rebag.com/clairreport#foreword
高級ハンドバッグのリセールリテーラーRebagが、ラグジュアリーバッグの再販価値等を含めたラグジュアリーリセールマーケットの指標を纏めた初のレポートThe Claire Report(Comprehensive Luxury Appraisal Index for Resaleの略)を発表した。The Claire Reportは、消費者が既に所有している高級バッグ、アクセサリーや今後購入を考えている商品の再販価値を即座に明らかにすることを目的として作られた指標。

The Claire Reportには、リアルタイムの価格追跡機能が付随され、ユーザーは、Claire Codesを”フォロー”することで再販価値の追跡や価格変動に於けるアップデートをリアルタイムに受け取ることができ、この情報を基に、中古品の売却や投資を目的とした商品を購入するベストタイミングを見極めることができる革新的なツールだ。

The Claire Report が追跡した2020年のウィニングリセールブランドは、Hermes, Chanel, Louis Vuitton。特にHermes のバッグは平均80%の価値を維持しており、ChanelやLouis Vuittonに於いては、リセール需要が非常に高く、平均63%の保持値を保っているという。また、Diorのバッグは昨年から13%アップした56%, Bottega Veneta は38%の保持値を保っている。

画期的なThe Claire Reportが登場したことで、これまで不透明であった高級バッグやアクセサリーの再販価値が即座にわかり、今までリセール利用をしたことがない人もより気軽に利用することができ、ラグジュアリーリセールの循環経済が更に活発化することが予想される。