蓼食う人々の好き好き消費

人口が減少するということは、大きな網を投げてもそこに掛かる人は少なくなってしまう。
リピーターを創出することが大事なのは前回も書いたとおりだ。

また、今起きつつあるデジタルシフトは、大きな網を張って、店で待ち構えるのではなく、ひとりひとりをデータという釣り竿を持って捕まえに行くということへの転換である。
この際にキーになるのが、「好き」という概念だと考えられる。

何かの分野に対して「好き」という反応の人に、それに関連した分野の商品やサービスをお勧めする。D2Cも、単純に中間流通を省くというよりも、その生産者の姿勢や行動に「好き」=共感をした人たちが買うという構図で伸びている。SNSで人々や企業がつながっていくのも「LIKE」なのである。

「蓼食う虫も好き好き」ということわざの通り、変わった好みを持つ人も含めて十人十色の人が存在する。
デジタルには。その「蓼食う人々」を捕まえられるという利点がある。

リアルでも「蓼食う人々」を狙うのは重要だ。例えば、コミックマーケット=「コミケ」は、CtoCの代表選手のようなものだ。
改めて調べてみると、第1回はなんと1975年とのことだ。
大手のマンガ雑誌に飽き足らないマニアックな人々が、全国から、同人誌を売りに、あるいは買いに集まる。
いまや売上数百億とまで言われている。

好きで好きでたまらんという熱量を持った人が、これまた好きで好きでたまらんという人に売るという熱狂的な売り方は、リアルでもデジタルでも有望なビジネスである。
物販だけでなく、飲食でも起こりうる。
熱狂的な肉好き、熱狂的なラーメン好きが集まる店というのがあれば、大いに興味をひかれる人は多いだろう。
「蓼食う人々」がそれなりの数になると決して小さなマーケットとはいえないのだ。

著者情報

第1ディビジョン マーケティング開発第1グループ 小売業やメーカー向け戦略策定、商業デベロッパー向けの戦略・コンセプト策定・ディレクションなどが主な業務。時代を独自に読み解く視点で執筆・講演も行なう。同社ホームページにて「太田の目」を連載中。オリジナル調査「Key Consumer Indicators by ifs」のディレクターも務める。1963 年生まれの「ハナコ世代」。あいみょんの大ファン。

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