選択肢を増やすことは、ジェンダーギャップを縮めるためのステップ
「孤立しないための複数の選択肢」、という発想が私たちすべてを救う！
少子化は日本社会のサステナビリティを考える上での不安材料のひとつと言われています。子どもを安心して産み育てられる、と感じられる環境づくりが重要と考えた、今回の対談のお相手、光畑由佳さんは、1) 服という環境の提供 2)職場という環境の提供 3)経験の提供、によって実現への道を着実に歩まれています。そして、これらの環境を用意することは、子育ての際に女性が追い込まれがちな、「孤立化」を避けることにもつながる。なにより、「複数の選択肢をもっている」、という安心感がジェンダーギャップを縮めることにもつながると、あらためて教えてくださっています。
授乳期のお母さんは、一時的に社会的なマイノリティになります。そのような人々をどうサポートできるか、と考えると、光畑さんの発想は、「社会的にマイノリティになったとき、どうサバイブするか」、その方策として読み替えることができます。私たちは、例えば事故にあう、病気になる、高齢になるなど、誰しもがサポートを必要とする立場になり得ます。そのような状況で、助けや解決となるチャネル＝選択肢を複数持っておくことがリスク分散になること、それによって物理的に弱い状況でも、社会の中で快適に、そして対等な立場で存在していくことができるのだ、と対談を通じてあらためて考えました。
SDGsが目指す、「誰ひとり取り残さない社会」、ということばの「取り残される側」に誰しも入り得ることを考えると、光畑さんのお話が子育てという領域を超えてより身近なものとして感じられるのではないでしょうか。フレキシブルに複数のアプローチを模索する光畑さんのポジティブなパッションをぜひ対談でお確かめください。（聞き手：ifs浅沼小優）
前篇
・モーハウスという会社設立の経緯
・ニッチな製品、でもたった粉ミルク一ヶ月分の値段
・子育ては大変じゃない！NPO設立のきっかけ
光畑由佳氏美術企画、編集者を経て、自らの子育て経験からウェアラブルな授乳環境を作るモーハウスを創業。自社で実践する子連れ出勤に関する研究を行うほか、APEC、JICAなど、国内外の働き方や女性のエンパワメントやダイバーシティに関する研修や講演も行う。女性のチャレンジ賞（内閣府）、お茶の水女子大学賞、女性起業家大賞優秀賞（日本商工会議所）、ダイバーシティ経営１００選（経済産業省）など受賞歴多数。
